2005年10月04日

日本語ボランティア養成講座

 先日、岡山県津山市で開催された「日本語ボランティア養成講座」に、講師の一人として招かれました。

 参加希望者数は主催者の予想よりはるかに多く、80人を超えたそうで、会場には熱気が溢れていました。

 参加者の年齢は20代から60代まで、日本語ボランティアの経験も0から数年まで様々でした。

 今迄数え切れない程多く、日本語教師養成講座や日本語ボランティア養成講座の講師を務めましたが、いつも心から願うのは、「参加者が受講後希望通り日本語教育に携われますように」ということです。

 そこで強調する事は、「日本語教師も日本語ボランティアも、楽しさ難しさは同じである。どちらかと言うと、ボランティアの方が、いつでも、どこででも、だれにでも教える能力と人間性が要求されるという面で、国際最前線で果たす責任とその醍醐味が大きい」ということです。

 また最近は、「日本語教師もボランティアも行うことは日本語教育である。{日本語支援}と言う流行の言葉に乗せられて、教師とボランティアの間に質の上下があるように錯覚してはならない」と、強調しています。

 第2回おかやま国際貢献月間協賛事業「外国人に日本語を教えませんか」を、10月14,15日(合計14時間) に開催します。

 日本語教育の極意について講義し、見学と実習を体験して頂きながら、参加の皆さんと共に多文化協働社会における日本語教育についてじっくり考えたいと思います。講座終了後には、修了証をお出しします。

 参加をお待ちしています。

投稿者 uragami : 00:05 | コメント (0)

2005年07月22日

日本語教育と生活支援

外国人に日本語を教えていらっしゃる皆さんは、「日本語教育」と言う言葉と「日本語学習支援」と言う言葉とでは、どちらがお好きですか。

「両方同じだ」と考えていらっしゃる方も、「それぞれ違う」と思っていらっしゃる方も、心の中に「プロ」と「アマ」という意識がありませんか。 

21年前に、岡山県庁地域振興課の応援の元に始まった岡山日本語センターの使命は、現在まで一貫して、「外国人への日本語教育と生活支援ならびにボランティアの日本語教育養成を通してのより良い国際社会推進」への貢献です。

すなわち、OJCでは設立以来ずっと「日本語教育」にこだわり続けているのです。教育はあくまでも教育であり、先生ごっこでも、単なるサポートでもありません。

さらに、受講生の求めに応じ、できる範囲での生活支援を行っています。それは日本語教育を通しての信頼感があってこそ可能なのだと言えます。

そのために、受講生に信頼される質の高い日本語教師として誇りを持って活動する日本語教員の養成は重要なのです。

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会員たちは日々血の滲む様な努力と自己研鑽に励んでいます。

何回も教えた課であっても、1回(90分)の授業のために準備する時間は最低1時間です。

対象の受講生が変われば、教えるアプローチが変わるのが当然だからです。


この考え方に賛成の方は是非ご一報ください。一緒に活動しませんか。

反対の方もご意見をください。

投稿者 uragami : 22:53 | コメント (0)

2005年06月09日

6月7日(火)の入門コース

今日の出席者は、カナダのマークさんが旅行のため、チュニジアのタハさんとタイのラタナーさんだけでした。

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お二人とも日本語の学習をゼロから始めてまだ2ヶ月たっていません。初めのうちは「あいうえお」の書き方に苦労していましたが、今ではひらがな、かたかな、多少の漢字は大丈夫。また最初は授業中に英語や辞書を使いたがって教師に止められたりしていましたが、最近は90分の授業中、読む練習と書く練習の合計10分程度以外、「たとえば?」などと質問しながら日本語の会話が途絶えることなく続きます。


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今日は明日の朝早くチュニジアに帰るというタハさんに対してラタナーさんからこれまで学習した様々な表現を使っての質問がぽんぽんと飛び出しました。

「大阪からあなたの家までどの位かかりますか」 「24時間位かかります。」                                  「一人で行きますか」 [奥さん(日本人)のお母さんと、お母さんの友達と、私、全部で3人行きます。」
「車を運転しますか」 「日本ではしませんが、チュニジアではします。たぶん、毎日車でお母さんを案内します。お母さんとても元気、私疲れる。」と、いささか大げさなジェスチャー。このようにして二人の会話は延延と続きました。7月1日にまた授業に戻ってくるというタハさんは「毎日日本人と話すから日本語は忘れません、先生」と、
こちらの心配を察したかのようににっこり。外国人と話すとき、いつもこの察しの良さには参ってしまいます。
「タハさん、元気で行ってらっしゃい。」

投稿者 admin : 21:19 | コメント (0)

2005年05月15日

授業中の母語使用の程度について 

学習者の母語または英語を一切使用しないで日本語能力を高めることができるのが、OJCの教科書であり、OJCメソドなのです。 これは、OJCを設立した1984年以前から、OJC代表が何年もかけて研究・実践を行って、確立したものです。

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これはまた同じレベルでグループ分けしているOJCの授業において、学習者間の日本語による会話を活発にし、日本語の運用能力を高めます。 このことは、学習者のレベルには関係ありません。入門から上級まですべてのレベルについて言えます。特に入門レベルの学習者には有効です。 

教える側の能力にも関係はありません。関係があるのはOJCの日本語ボランティアとしての熱意と意欲です。

最初はたしかに、忍耐強く日本語の発話を待つことができなくて英語に逃げたり、時間がかかりすぎたりすることもありますが、熱意と意欲があれば経験がそれを助けてくれるようになります。
またOJCのレベル別グループ指導では1つの言語話者に偏ることは少ないのですが、レベル別といっても習熟度の差は自然に生じますので、約半年に1回行うテストや場合によっては担当者間の話し合いによってグループを変更してもらうことがあります。
時々授業中に母語や英語で他の学習者に教えようとする学習者がいますが、それは禁止しています。理由は不正確なことが教えられるために学習に大きな支障をきたすことが頻繁にあるからです。

投稿者 uragami : 14:25 | コメント (0)

2005年05月09日

日本事情の教え方

OJCの教科書の特色の一つは、日本や岡山の行事、習慣等が随所に挿入してあることで、これは大変好評です。ただし祭日については、授業が休みになる前にそのつど担当の先生がそのコースのレベルにふさわしい取上げ方をしています(OJCでは毎授業において5~8のコース別授業があります)。 

それによって受講生は日本の文化を体感するだけでなく、受講生間で各国の似たような祭日を日本語で話し合い、時にはお国自慢になって活発なコミュニケーションが行われます。すなわち教師はできるだけ詳細に幅広く当の祭日に調べておくことは必要ですが、その全てを説明するのでなく、何をいつどのくらいどのように取り上げるべきか慎重に準備すればよいのです。

 因みに5月3日は何の日か正確にご存知ですか。

1946年11月3日に公布された「日本国憲法」が、1947年5月3日に施行されたのを記念する日です。
念のため憲法前文を引用します。

「日本国民は,恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。 われらは平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。

われらは全世界の国民が、ひとしく恐怖と絶望から免れ平和のうちに生存する権利を有することを確認する。・・・・・・・日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓う。」

投稿者 uragami : 14:46 | コメント (0)

2005年04月18日

OJC教科書

OJCで使用してい 
 

 
 OJCで使用しているテキストは20年前OJCの会員全員で分担して作成し、その後も社会情勢や日本語の変化を考慮に入れて、テキスト担当者を中心に、会員ならびに受講生の意見を検討しながら改定し続け、今日に至っているものです。
 
 

 
 写真を載せている通り、書名は入門、初級(一),初級(二)、中級(一),中級(二)です。上級は時事日本語を扱うことが多いため、担当者が適宜作成しています。
以下に、作成理念、方針等の概略を申し述べます。

 
 

作成理念
1 日本語を学習する者が、これらの教科書を使用して、確実にしかも短時間でかつ楽しく 、日本語のコミュニケーション能力を身につけ、あらゆる場面で適切に運用することができるようになること。
 
 
  

1 OJCの受講生はその背景のみならず、年齢、出身地、日本語能力、学習歴、目的、目標等あらゆる面において多種多様である。 したがって、日本語を教える者が、担当する課の内容と受講生に合うように、担当者の全人格をもってイマジネーションを広げて内容を豊かにし、教え方の工夫をすることができること。
 

方針
1 岡山に滞在する学習者が、興味と感動をもって学習できるよう、また、教師もそれによって話題が広げやすくなるよう、岡山に関する題材を多く取り上げる。
1 受講生が各自の出身地のこと等、その課のテーマに沿った話題を日本語で活発に発話できるように各課1テーマにとどめる。
1 基本的に文型は易から難へ進む。新出の文法はできる限り1項目に絞る。
1 語彙ならびに表現のうち、日常生活ならびに安全と健康、さらに学業・職業・研修等に必要なものはなるべく早い段階で導入できるような題材を工夫する。
1 ひらがなの読み書きが日本語の習得にとって重要であることを学習者が認識し、学習に意欲を持つよう、入門段階から楽しく導入する。大体80%の受講者は学習開始後6時間くらいで濁音、促音、拗音、長音を含めて、気軽に筆記するようになる。ひらがなを積極的に書く受講者は、母語の文字に頼る受講者に比べてその後の上達が格段に速いことは、OJCにおいて実証済みである。
1 カタカナは読めた段階で終了とする。


投稿者 uragami : 16:11 | コメント (0)

2005年04月10日

異文化理解

日本語教員養成課程の柱が[異文化理解]だということを理解するまでもなく、その大切さは誰でもわかります。また、「ことばと文化」が切り離せないということも日本語を教えている者ならすぐわかります。
OJCでも、日本の習慣を教えたり、入門者には挨拶を先ず教えたりします。

入門者に挨拶を教えるときどんなことに注意したらよいか、OJCの授業を通して感じたことを紹介します。

 OJCでは、媒介言語は使わずに、日本語だけで教えるのが基本です。そのためにティームティ-チングで、初対面の挨拶、自己紹介などの会話を練習します。それから、「書いてください」「読んでください」
「もう1度いってください」「ゆっくりいってください」などを実際にいろいろな場面を作りながら繰り返し練習します。基本的な挨拶はやはり「おはようございます」「こんにちは」「こんばんは」『ありがとうございます」「ごめんなさい」「どういたしまして」などですね。

昨日、日本語の授業に日本人と結婚したチュニジアの若者が来ました。アラビア語、英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語ができます。マレー語も少しできます。しかし、日本語で知っている言葉は「ありがとう」だけです。彼は「たとえば」を自ら連発して、瞬く間に初対面の挨拶のときの会話も、自己紹介も、さまざまな場面での「ください」を使った依頼表現もかなり自然な日本語でできるようになりました。
ところが、上記の基本的な挨拶に入ったとたん、教師たちの挨拶の実演を見た後、棒立ちになって突然英語でまくしたてました。
「挨拶の言葉は言ってもよいが、おじぎは絶対にしない。我々が頭を下げるのは神に対してだけだから。」
というのです。皆さんはこのようなときどうなさいますか。「日本の習慣だから」と押し切りますか。

でもこれは宗教の問題なので、OJCでは強制しません。
その後非常にスムーズに進み、最後に「ありがとうございました。また来週お願いします」ときちんと日本語で挨拶してニコニコとかえっていきました。

一瞬緊張しましたが、幸先のよい新学期のスタートでした。

異文化理解や、文法の教え方等、ここで読者の皆さんとともに考えていきたいと思います。

                                           浦上

投稿者 uragami : 16:11 | コメント (0)

2005年04月09日

日本語授業

通常授業
岡山国際交流センター教室 地図

火曜日 10:00-11:40
水曜日 10:00-11:40
水曜日 18:30-20:10
金曜日 10:00-11:40
土曜日 15:00-16:40

アジア国際センター教室 総合案内
月曜日 10:30-12:00 13:00-14:30
木曜日 10:30-12:00 13:00-14:30

文化授業      年2回程度
料理教室      年2回程度
親睦授業 8月、12月及び3月の各クラス最終授業日
屋外授業      年2回程度
個人補習授業、個人授業 必要に応じて

投稿者 admin : 01:31 | コメント (0)