2005年06月14日

多文化協働社会と日本語教育

 はじめまして、新人の岡崎博之です。よろしくお願いいたします。
先日、OJCに入会させていただき、総会で監事に選ばれました。
外国人の入国管理局への申請取次手続きの仕事を専門にしている行政書士です。

 「多文化協働の仕事づくり・街づくり」をコンセプトに、NPO法人メンターネット・外国人サポートセンターをつくりました。

インターネットを含めて、毎日のように日本に在留している外国人の「よろず相談」を受けています。

 日本の国際化の進展にともない、岡山など地域においても加速度的に在住外国人が増加し、現在全国で200万人近い外国人が暮らしています。国際結婚や研修生受入れにおいても、日本人とのコミュニケーションがうまく図れず、トラブルやさまざまな問題もでています。

 多文化共生から「多文化協働」の地域社会へと進化する中で、あらためて在住外国人への日本語学習支援の強化が求められていると思います。

 日本語教育については、OJCのアジア国際センター教室の立ち上げの時に事務局をさせていただきました。現在、顧問先の協同組合で中国人研修生に日本語を教えています。ニューカマーの外国人にとって本当に日本語は大切で、NPO法人を申請したOJCの役割はますます重要になっています。
私のOJCでの役割は、日本語を学ぶ外国人が地域で安心して暮らせるように「行政なんでも相談」を担当することだと思います。遠慮なく連絡ください。 岡崎博之 

   E-mail: cluster@oka.urban.ne.jp    携帯電話:090-3174-1968

追伸: 「月刊 日本語」6月号は「共生時代がやって来た!」という特集を掲載しています。
OJC20周年で講演いただいた(社)国際日本語普及協会(AJALT)の西尾珪子理事長も「外国人労働者がやって来る・・・どうなる日本語教育」という原稿を書かれています。


投稿者 okazaki : 16:50 | コメント (51374)

2005年04月14日

日本文化

日本文化はアルコール文化?
外国人からそう言われたことはないですか。

20年前にOJCが発足した当初、県庁の県民生活課、岡山県国際交流プラザとともに、外国人受講生を交えたお花見や花火大会を毎年開催しました。最初の5年ぐらいは開催するたびに外国人の参加者が倍増といえるほどの人気で驚いたものです。また、それまで家に引きこもっていた外国人が、OJCの日本語授業やそのような会をきっかけに町へ出るようになったという例ガたくさんありました。

 その後、外国人を招いてお花見の会や様々な会を催す団体が増えてきて、私どもの役割は軽くなってきました。私たちは現在は日本語の授業の一環として様々な行事を行い、日ごろ顔を合わせることのない他のクラスやコースの人たちと親睦を図るようにしています。勿論アルコール類は殆どありません。
ところが、昨年9月に来日して以降OJCの授業に熱心に来ている留学生(フィリピン)から、先週、「日本文化はアルコ―ル文化だと思います。」と言われました。わけを聞くと、昨年大学の歓迎会で、自分はビールは飲めないと言うのにしつこく勧められ、「アルコールを勧められてたら1口でも飲むものだ。日本では飲む機会が多いのだから。」と叱られたのだそうです。「本当に皆よくビールを飲みに行きます。ビールを飲まないと日本人は普通のコミュニケーションはできないのですか。」と、かなり参っている様でもありました。

 その姿を見て、私は20年前にアメリカ人女性の研究員から相談を受けたときのことを思い出しました。授業の前に彼女はこっそり私の脇に来て、つらそうに言い始めました。「研究室のお花見のパーティーでみんな酔っ払いました。 酔っ払うのは桜の花と同じくらいビューティフルなことなのですか。その考え方は変です。私は日本人の酔っ払いは嫌いです。ハグしたり、体に触ったりします。本当に嫌いです。もうパーティーには行きたくありません。いいですか。」 当時セクハラは今ほど問題にならなかったし、ましてやそのような席で嫌だと思う女性はいても、仕方ないと諦めている感じでした。また、彼女は日本文化についていろいろと本を読んでいるらしく、「日本では大切なことはお酒を飲みながら決定するのですね。アメリカでは大切なことは必ず会議で決めます。」 完全な誤解とは言い切れないけれど、絶対の真実でもないこの認識を訂正するのに苦労したものです。その後彼女は会の途中で姿をくらます戦法で無事に研究生活を終え、OJCの日本語の授業で出会った中国人留学生と結婚して帰国しました。 

 今回のフィリピン留学生もきっと彼なりの解決方法を見つけるでしょうが、はたして「日本文化はアルコール文化なり」の考えはどうなるでしょうか。
日本文化に関するご投稿をお待ちしています。

投稿者 uragami : 07:52 | コメント (0)